その48。








そのころグランバニアでは、おじおじが困っていました。

それもそのはず。


王様と王妃が、行方知れずになってしまったのですから。

しかも双子二人を置き去りに・・・。




兵士「オジロンさま!はるか北の教会で、王のお姿を見た者がっ!」

オジロン「よし!皆のもの!北の地じゃ!北の地をくまなく調べるのじゃ!」





おぎゃーーんおぎゃーーんおぎゃーーん!

大泣きする双子・・・。




サンチョ「ゴハンさまにゴテンさま!母上父上は、きっとご無事じゃ!」




サンチョ・・・。

双子のことを、よろしく頼むよ・・・。



サンチョの手で、立派なスーパーサイヤ人に育てておくれ・・・。





こころは・・・。




こころは・・・。






「さあさあ、いよいよ今日の一番の売り物だよ!」
「どうだい!みごとな石像だろう!」






どうやら、売られて行くみたいだから・・・(泣)






「さあ一万ゴールドからだ!」




今、セリにかけられてます・・・。




「12000!」


「15000!」


「16000!」






ああ・・・。
こんな時、ルドマン義父がいてくれたら・・・。


こころを高値で買い取って下さるのに・・・。






「もうないかい?この石像は幸運を呼ぶという予言つき!買わなきゃソンだよ!」





え・・・。そうなの・・・。


こころ・・・。幸運を呼ぶの・・・?



ちょっと変なポーズだけど、問題ない・・・?





「20000!」





「よーし、売ったあっ!」





こころを買ったのは、銀髪の金持ちじいさん風。


どうか大事にしてください(。-_-。)ポッ











「あっ旦那さま。おかえりなさいませ!」


こころがもらわれた家。


「奥様奥様旦那さまが、戻られました!」


予想通りの、庭付き・召使い付きの豪邸。



「あなたおかえりなさい。ほらジージョちゃん、パパが帰って来ましたよぉ。」

ジージョ「ばぶばぶ・・・。」



おやおやぁ?
旦那に比べて、奥さん若すぎやしないか?

パパっていうよりか、祖父だね祖父。
(ほっといてやろうよ。)



「ところであなた、その石像は?」

「どうだ。なかなか見事な石像だろう。」



あ、わかった!再婚だな再婚。

前の妻子を捨てて、若い子と再婚して子供が出来たんだ。



「ジージョも生まれたことだし、我が家の守り神として庭に飾ろうと思ってな。」



えーー。
庭ーーー?( ̄д ̄)


こころ、出来れば家の中に置いて欲しいんですけどぉ・・・。



だって寒がりなんですよ?こころ。



「まあ、あなたったらジージョのことばっかり。私へのお土産はございませんの?」


「いや、それはその・・・。わっはっはっはっ。まいったな、どうも・・・。」




うわ、聞いちゃいねぇや、この略奪愛夫婦(決めつけ)。











結局こころは、庭の真ん中にぽつんと置かれています。




真ん中ですよ、真ん中!



おかしいだろ、この位置!

普通に考えて邪魔だろう!





こんなところに、こんな石像があったら変だろう!










ったく、この夫婦の美的センスを疑うぜ。










ぷりぷりぷり(不満だらけ)。
(あんたを購入した時点で疑う。)












勝手にこの家の守り神にされたこころ。

それは、今まで味わったことの無い程にヒマな日々・・・。


なにせ身体がちっとも動かないので、
出来ることと言ったら、庭に出てくる家族を観察することぐらいです。




「あなた、あなたったら、早く出てきてくださいな。」


「そんな大声をあげて、いったい何事なんだ?」



お?何か変わったことでも起きたか??




「ほら、あなた見て!」



お・・・。


おお・・・っ!!




「ジージョが、ジージョが・・・。」




クララが立ったーーー!ヾ(TдT)ノ
(いや・・・。)




「おお!ジージョもついに歩くようになったか!偉いぞジージョ!」




いいよな子供は・・・。

ちょっと歩いただけで褒めてもらえて・・・。





言っときますけどね。
こころだって、今この状態でちょっと歩いたら、すんごい褒められるよ?

だって石だからね?
















・・・まぁ、無理なんですけど・・・。
(石だから。)










「まあまあジージョったら。」


ジージョ「わーい わーい。」




こころは、今日も元気にお庭番やってます・・・。




「そんなにはしゃぐと転びますよっ」




ふんっ!転んじまえばいいのよっ!
(呪いの言葉。)




ジージョ「わーい わーい。」




それにしても、ジージョ育ったなぁ。


うちの子達もこんなもんなんだろうなぁ・・・。


会いたいなぁ・・・。


ああ・・・幸せそうだなぁ・・・。




こころも・・・。

こころも子供達と幸せな日々を過ごしたいのにっ!



毎日毎日、人ん家の幸せ見せつけられてっ!(>△<)





あんたなんか、モンスターにでもさらわれちまいなさいよっ!
(呪いの言葉。)











と、そのとき!

空からモンスターがっ!!









げ・・・。まじで来た・・・!Σ( ̄ロ ̄lll)




ジージョ「おじちゃんたち、だあれ?」


「ジージョ!」




あちゃちゃちゃ・・・。


ジージョさらわれちゃった・・・。




「あ、あなた!ジージョがジージョが、怪物たちに・・・!」

「なんとっ!」




こ、こころのせい?こころのせい?

こころが呪いの言葉を発したからかっ!?( ゚д゚ ;)





















だ、大丈夫!気にするなっ!
(誰に言ってんだ。)












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