その44。







新たな国王。
そして王子・王女誕生の知らせは、その夜のうちに国中に広がった。






人々は、パパス王の息子が生きていたことを心から喜び・・・。
そしてまた、オジロン王の英断に喝采を浴びせた。


グランバニアに、新しい国王の誕生である。





おめでとう!グランバニアヽ( ´▽`)ノ










・・・って、ちょっと待て。



王様って俺!?









いつのまに、こころ王様なってんの!Σ( ̄ロ ̄lll)






ビアンカ「今日は即位式なんでしょう?頑張ってきてね。」




ええっ!まじでかっ!

しかも即位式なんかっ!

手際良すぎだ!





おじおじ、あんのヤロぉ・・・。











今日はボクの即位式・・・。




オジロン「皆の者!よく聞くようにっ!」
オジロン「今余の隣にいるのが先代パパス王の息子じゃ。」




ちなみに、元ドレイじゃっ!
(バラさんでいい。)




オジロン「余はこれより、王位を譲ろうと思うっ!」




はい、謹んでお断り申し上げますデス。




オジロン「グランバニアの子にして、偉大なる王パパスの息子よ!」
オジロン「余は、神の名にかけて、本日この時より、そなたに王位を譲るものである。」




わぁ大変・・・。

強引に譲られちゃった・・・。




オジロン「さあ、その王座に座るがよい。」




あ?そこ?ここ?
(あ、しまった座っちゃった。)




オジロン「ブランバニアの新しい国王の誕生じゃ!」




ぱ〜ぱかぱかっぱっぱ〜〜ん(例の曲)!





・・・・・・っ!Σ( ̄ロ ̄lll)






ああ・・・。
もう逃げられない・・・。





国民1「王様ばんざい!」

国民2「ご即位ばんざい!」

国民3「グランバニアに栄光を!」




しょうがないから、この状況を楽しもう。
(割り切り上手。)




オジロン「さあ、次は国中の民にも新しい国王のお姿を!」




よしキタ!




兵士1「新しい国王さまに敬礼!」




うむ、苦しゅうない( ´д` )ノ




兵士2「国中の民が、下の階で国王様のお出ましを待っております!」




ふぉふぉふぉっ。苦しゅうない、苦しゅうない( ´д` )ノ




国民達「新しい王様ばんざい!」




苦しゅうないぞーーーっヽ( ´д` )ノ











あ?お前ナニ様?
















王様だーーーーーーっヽ( ´▽`)ノ
(バカ・・・。)











サンチョ「坊ちゃん!いえ・・・王!おめでとうございます!」




いやーん、サンチョ。


まだまだ坊ちゃんって呼ばれたいお年頃〜〜(。・ε・。)




サンチョ「このサンチョ、今日ほど嬉しい日は・・。うっうっ・・・。」




よしよし、泣くな泣くな。

ほら、すててこパンツで涙を拭いて・・・。






そんなこんなで。
国中をあげて、夜遅くまで祝賀の宴が催された。

人々はあるいは歌い、あるいは踊り、この日の喜びをわかちあったとさ。



めでたしめでたし(*´д`*)
(終わらせた。)






















しかし・・・!


















・・・ん?「しかし」?








なんとも不吉な接続詞。>「しかし」。










目覚めたところは、教会の石畳の床の上。



・・・おっと、いかんいかん、飲みすぎた。




こんなところで行き倒れちゃってた。




辺りを見渡せば、
シスターも神父さんも、みんな床で眠ってる・・・。

城の警備兵も、床で眠ってる・・・。




サンチョ「すうすう・・・。坊ちゃんよかったですね。むにゃむにゃ・・・。」




サンチョも床で眠ってる・・・。


道具屋も、武器屋もみんな床で眠ってる・・・。




オジロン「むにゃむにゃ・・・。もう飲めんわい・・・ぐうぐう・・・。」




おいおい、お前もか・・・。




つか、国中全員飲んだくれか・・・。






ちょっと油断しすぎだぞ!

我が国民達よっ!




苦しいゅうない!( ´д` )ノ
(そればっかり。)







いやぁそれにしても。

なんか、こころだけ眼が冴えちゃって、損した気分〜。




起きてる人、誰かいないかなぁ・・・。









・・・いないなぁ・・・。









よし、ここは一つ呪文で起こすかっ!







えっとえっと・・・。
















マヒャドっ!!えいっ!!ヽ( ´▽`)ノ
(凍え死ぬよΣ( ̄ロ ̄lll))












よしっ!

じゃあ、子供達の顔でも見に行くか!










ほーら子供達〜〜。

酔っ払い父さんだよ〜〜。でろでろば〜〜( ´д` )
(迷惑・・・。)












って、うわわわわっ!



ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと!!





う、う、う、うちの子がっ!うちの子がっ!






うちの子がいねぇーーーっ!!






ぎゃーーーー!




さらわれたーーーっ!


さらわれたーーーっ!




産まれて二日目でさらわれたーーーっ!!







ビアンカにさらわれたーーっ!
(えーーー。)










皿割れたーーーーっ!!Σ( ̄ロ ̄lll)
(はい、間違い。)















いや、落ち着こう・・・。





ここはビアンカも一緒にさらわれたと考えるべきか?


それとも別々でさらわれたと考えるべきか?


発想を変えて、どっきりカメラしかけられてると考えるべきか?


母子共に、パパを隠しカメラで観察してほくそ笑んでると考えるべきか?


そうか、なるほどそういうことか〜。



もー、やれやれ。
産まれて二日目でパパをだまくらかそうなんて、末恐ろしい子供達だぜ( ´д`;)
(そうとう混乱しているようです。)







「えーん、えーーん!」




・・・はっ!




寝室の方から、赤ちゃんの泣き声が聞こえる・・・。




「えーん、えーーん!」




寝室のどこに・・・。




「えーん、えーーん!」




あわてて寝室に戻り、もう一度調べてみると。




赤ちゃんを抱いた、顔が水色の女妖怪が現れた!

ぎゃーーーーーっ!




おばさん「お、王様!申し訳ありません!」




いや・・・。
こちらこそ、失礼・・・。
(妖怪だなんて言っちゃって。)




てかおばさん、顔色悪いよ?水色だよ?




おばさん「王妃さまが、ビアンカさまが魔物どもにさらわれて!」




あれまぁー。




おばさん「私は二人の赤ちゃんを抱いて身を隠すのが精一杯で、王妃様までは・・・。」




そうか、よく子供達を守ってくれたね。ありがとうね。




おばさん「も、申し訳ありません!ううう・・・。」




あらあら、泣かないでおばさん。



ビアンカなら大丈夫だよ・・・。





















こころよりも全然強いから・・・(´-ω-`)











サンチョ「坊ちゃん!いえ王!」




うん、もう「坊ちゃん」でいいから。

いちいち言い換えられるのも、あれだし。




サンチョ「まさか、王妃さまが・・・。ビアンカさまが・・・?」




ああ、心配いらないよ。気にしないで。




サンチョ「坊ちゃん!このサンチョの眼はだませませんぞっ!」




いや、ほんとビアンカは大丈夫だから。




サンチョ「20年前のあの日と、同じにさせてなるものですかっ!」




いや、だからね・・・。




サンチョ「さあ坊ちゃん!城の者たちをたたき起こすのです!」
サンチョ「そして、なんとしても王妃さまを!ビアンカさまをっ!」




いや、本当に大丈夫なんだけどな・・・。























だって、ビアンカだし・・・。
(・・・だな。)












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