新たな国王。
そして王子・王女誕生の知らせは、その夜のうちに国中に広がった。
人々は、パパス王の息子が生きていたことを心から喜び・・・。
そしてまた、オジロン王の英断に喝采を浴びせた。
グランバニアに、新しい国王の誕生である。
おめでとう!グランバニアヽ( ´▽`)ノ
・・・って、ちょっと待て。
王様って俺!?
いつのまに、こころ王様なってんの!Σ( ̄ロ ̄lll)
ビアンカ「今日は即位式なんでしょう?頑張ってきてね。」
ええっ!まじでかっ!
しかも即位式なんかっ!
手際良すぎだ!
おじおじ、あんのヤロぉ・・・。
今日はボクの即位式・・・。
オジロン「皆の者!よく聞くようにっ!」
オジロン「今余の隣にいるのが先代パパス王の息子じゃ。」
ちなみに、元ドレイじゃっ!
(バラさんでいい。)
オジロン「余はこれより、王位を譲ろうと思うっ!」
はい、謹んでお断り申し上げますデス。
オジロン「グランバニアの子にして、偉大なる王パパスの息子よ!」
オジロン「余は、神の名にかけて、本日この時より、そなたに王位を譲るものである。」
わぁ大変・・・。
強引に譲られちゃった・・・。
オジロン「さあ、その王座に座るがよい。」
あ?そこ?ここ?
(あ、しまった座っちゃった。)
オジロン「ブランバニアの新しい国王の誕生じゃ!」
ぱ〜ぱかぱかっぱっぱ〜〜ん(例の曲)!
・・・・・・っ!Σ( ̄ロ ̄lll)
ああ・・・。
もう逃げられない・・・。
国民1「王様ばんざい!」
国民2「ご即位ばんざい!」
国民3「グランバニアに栄光を!」
しょうがないから、この状況を楽しもう。
(割り切り上手。)
オジロン「さあ、次は国中の民にも新しい国王のお姿を!」
よしキタ!
兵士1「新しい国王さまに敬礼!」
うむ、苦しゅうない( ´д` )ノ
兵士2「国中の民が、下の階で国王様のお出ましを待っております!」
ふぉふぉふぉっ。苦しゅうない、苦しゅうない( ´д` )ノ
国民達「新しい王様ばんざい!」
苦しゅうないぞーーーっヽ( ´д` )ノ
あ?お前ナニ様?
王様だーーーーーーっヽ( ´▽`)ノ
(バカ・・・。)
サンチョ「坊ちゃん!いえ・・・王!おめでとうございます!」
いやーん、サンチョ。
まだまだ坊ちゃんって呼ばれたいお年頃〜〜(。・ε・。)
サンチョ「このサンチョ、今日ほど嬉しい日は・・。うっうっ・・・。」
よしよし、泣くな泣くな。
ほら、すててこパンツで涙を拭いて・・・。
そんなこんなで。
国中をあげて、夜遅くまで祝賀の宴が催された。
人々はあるいは歌い、あるいは踊り、この日の喜びをわかちあったとさ。
めでたしめでたし(*´д`*)
(終わらせた。)
しかし・・・!
・・・ん?「しかし」?
なんとも不吉な接続詞。>「しかし」。
目覚めたところは、教会の石畳の床の上。
・・・おっと、いかんいかん、飲みすぎた。
こんなところで行き倒れちゃってた。
辺りを見渡せば、
シスターも神父さんも、みんな床で眠ってる・・・。
城の警備兵も、床で眠ってる・・・。
サンチョ「すうすう・・・。坊ちゃんよかったですね。むにゃむにゃ・・・。」
サンチョも床で眠ってる・・・。
道具屋も、武器屋もみんな床で眠ってる・・・。
オジロン「むにゃむにゃ・・・。もう飲めんわい・・・ぐうぐう・・・。」
おいおい、お前もか・・・。
つか、国中全員飲んだくれか・・・。
ちょっと油断しすぎだぞ!
我が国民達よっ!
苦しいゅうない!( ´д` )ノ
(そればっかり。)
いやぁそれにしても。
なんか、こころだけ眼が冴えちゃって、損した気分〜。
起きてる人、誰かいないかなぁ・・・。
・・・いないなぁ・・・。
よし、ここは一つ呪文で起こすかっ!
えっとえっと・・・。
マヒャドっ!!えいっ!!ヽ( ´▽`)ノ
(凍え死ぬよΣ( ̄ロ ̄lll))
よしっ!
じゃあ、子供達の顔でも見に行くか!
ほーら子供達〜〜。
酔っ払い父さんだよ〜〜。でろでろば〜〜( ´д` )
(迷惑・・・。)
って、うわわわわっ!
ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと!!
う、う、う、うちの子がっ!うちの子がっ!
うちの子がいねぇーーーっ!!
ぎゃーーーー!
さらわれたーーーっ!
さらわれたーーーっ!
産まれて二日目でさらわれたーーーっ!!
ビアンカにさらわれたーーっ!
(えーーー。)
皿割れたーーーーっ!!Σ( ̄ロ ̄lll)
(はい、間違い。)
いや、落ち着こう・・・。
ここはビアンカも一緒にさらわれたと考えるべきか?
それとも別々でさらわれたと考えるべきか?
発想を変えて、どっきりカメラしかけられてると考えるべきか?
母子共に、パパを隠しカメラで観察してほくそ笑んでると考えるべきか?
そうか、なるほどそういうことか〜。
もー、やれやれ。
産まれて二日目でパパをだまくらかそうなんて、末恐ろしい子供達だぜ( ´д`;)
(そうとう混乱しているようです。)
「えーん、えーーん!」
・・・はっ!
寝室の方から、赤ちゃんの泣き声が聞こえる・・・。
「えーん、えーーん!」
寝室のどこに・・・。
「えーん、えーーん!」
あわてて寝室に戻り、もう一度調べてみると。
赤ちゃんを抱いた、顔が水色の女妖怪が現れた!
ぎゃーーーーーっ!
おばさん「お、王様!申し訳ありません!」
いや・・・。
こちらこそ、失礼・・・。
(妖怪だなんて言っちゃって。)
てかおばさん、顔色悪いよ?水色だよ?
おばさん「王妃さまが、ビアンカさまが魔物どもにさらわれて!」
あれまぁー。
おばさん「私は二人の赤ちゃんを抱いて身を隠すのが精一杯で、王妃様までは・・・。」
そうか、よく子供達を守ってくれたね。ありがとうね。
おばさん「も、申し訳ありません!ううう・・・。」
あらあら、泣かないでおばさん。
ビアンカなら大丈夫だよ・・・。
こころよりも全然強いから・・・(´-ω-`)
サンチョ「坊ちゃん!いえ王!」
うん、もう「坊ちゃん」でいいから。
いちいち言い換えられるのも、あれだし。
サンチョ「まさか、王妃さまが・・・。ビアンカさまが・・・?」
ああ、心配いらないよ。気にしないで。
サンチョ「坊ちゃん!このサンチョの眼はだませませんぞっ!」
いや、ほんとビアンカは大丈夫だから。
サンチョ「20年前のあの日と、同じにさせてなるものですかっ!」
いや、だからね・・・。
サンチョ「さあ坊ちゃん!城の者たちをたたき起こすのです!」
サンチョ「そして、なんとしても王妃さまを!ビアンカさまをっ!」
いや、本当に大丈夫なんだけどな・・・。
だって、ビアンカだし・・・。
(・・・だな。)
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