その47。





あくまでも成り行きで、
魔王の部屋へと進んでしまった勇者ご一行さま。




ただの偶然で、
魔王の玉座の後ろの隠し階段発見。




そうなると流れで、
階段を降りて、先に進む・・・。





すると、回転する床が目白押しの、
空中庭園のようなところに出てしまう。







む・・・。
回転する床・・・。





登場するたびに我らを苦しめる、困ったあんちくしょうである。


前進すると、左に曲がり。
右に曲がると後進し・・・。

いくら無鉄砲がウリのご一行さまでも、
回転する床ばかりは、じっくり考えて行動せねばなりません。



闇雲に突き進むばかりじゃあ、永遠に目的地には辿りつけないのであります。








でも、とりあえず。
お約束で一度くらいは道を踏み外して、落ちておくのも忘れずに。



いやだなぁ、わざとですよぉ〜。
落ちたところは、黄金の宝庫かも知れないぢゃん。


だからこうして、
いろんな角度でとりあえず落ちてみて・・・( ´д` )
(ん。いいから先に進め・・・。)
















回転する床を抜けると、
そこは、なんだか黒い予感。


いよいよ、大魔王の居場所に近づいて来た、よ・か・ん・♪( ´д` )






おおっと、こうしちゃいられない。

大魔王に出くわす前に、
さっさと、脱出して回復しておく必要があります。

あくまでも、今回は下見だからさ。



さ〜ってと。
おい勇者、リレミトだ。リレミト。




一行の中で、
リレミト(ダンジョン脱出呪文)と、ルーラ(移動呪文)は、勇者の担当です。










だって・・・。
それぐらいしか使えないし、この子・・・。>勇者。










久々に廻ってきた自分の役割!
勇者がやや自慢気にリレミトを唱えようとした、その瞬間。




ご一行サマは、信じられない光景を目の当たりにする。






なんと。
一人の男が、怪物と戦っているのだっ!!









ぬおっ!!

この世知辛い世の中。

自分達以外にも、
怪物と戦おうなんて奇特な・・・殊勝な考えを持った者がいようとはっ!!





これは、脱出している場合じゃないです。

とりあえず、顔ぐらいは見ておかねばなりません。









むむ!
なんと、自分達よりも、かなり、おっさんじゃないか!!






いや〜、しかし。
仲間も連れずに一人で冒険とは、
さてはおっさん、最初の心理テストで、一匹狼タイプと診断されたね?( ´д` )



それでキレて一人で旅に?



いや〜ね。
気持ちはわかるわ、こころだって一匹狼って・・・・ん?







・・・あれ?









・・・あれあれぇ??









・・・ちょっと待って、あんた確か・・・。













お父さまっ!ヽ( ゜▽゜)ノ
(なにっ( ̄□ ̄;)!!!!!!!!)













怪物・キングヒドラと戦っていたのは。


行方不明になっていた、勇者のパパ。
伝説の勇者・オルテガ父ちゃんだったのであります。









ぬぉおおお!



がんばれ父ちゃん!
ヒングキドラなんかに、負けるな父ちゃん!!





・・・ん?






違う!
キングヒドラなんかに、負けるな父ちゃん!!
(どんまいどんまい。)





やれやれ!やっちまえ!



そこだ、そこ!
そこですかさず攻撃っ!!




ぬおっ!

父ちゃんったら、
ライデインなんてカッコ良さげな呪文使っちゃって!






あ〜駄目じゃん、いまいち効果なしじゃん!




あ!
父ちゃん気をつけて!
ヒドラは炎を吹いてくるぞっ!!






ほれ!そこ!
避けて!ほいほい!!







オルテガ父ちゃんに、
精一杯の声援を送る、ご一行サマ。





応援するなら助太刀しろよ・・・。
なんてことには気付かない、ご一行サマ・・・。





がすっ!
ぼすっ!
げふっ!!





ぎゃ!
父ちゃん!( ゚д゚ ;)

駄目だ、回復呪文だ父ちゃん!







そうそう、ベホマ!それっ!







*「しかし、MPが足りない!」











父ちゃんのバカ!考えナシ!!( ̄△ ̄;)








がすっ!
げすっ!
ごすごすっ!!







ああ!
父ちゃん〜〜!!

父ちゃんしっかり〜〜っ!!








勇者一行が駆け付けた時には、
オルテガ父ちゃん虫の息。








と、父ちゃん・・・(TдT)









オルテガ
「もう、何も見えない・・・。そこに誰かいるのか?」








ええ、オルテガさん・・・。
あなたの息子さんが、ここにいらっしゃいます。







オルテガ
「私はアリアハンのオルテガ・・・今、すべて思い出した・・・。」







そ、そうか、父ちゃん・・・。
やっぱり、記憶を無くして・・・(TдT)













・・・・・・・・えっ。










父ちゃん・・・。
記憶無くしていたのに、こんなところまで?







つまり無意識に、ゾーマの城へ?











そんなオルテガさんの、
見上げた勇者根性を称えて。この言葉を送ります。















「勇者ばか一代。」



























オルテガ
「へ、平和な世に出来なかった父を許してくれ・・・がくっ。」













はっ!Σ( ̄□ ̄;)
ととととととと父ちゃんっ!!










父ちゃん!
父ちゃん!



父ちゃぁあああああああんヾ(TдT)ノ
(死んじゃイヤぁあ(TдT))
















くそ・・・。
にっくき、キングヒドラ・・・。



にっくき、大魔王ゾーマ・・・。





お前のせいで、父ちゃんは・・・父ちゃんは・・・。
(ううう・・・(TдT))








おのれっ!
父の仇、うたいでおくべきかっ!!

待っていろ!ゾーマっ!!































よし。
その前に、一旦脱出して回復だ。
(・・・うわお冷静( ̄△ ̄;))